【審決例】無効2021-890027(4条1項7号)[スマホ修理王事件]

【商標スクエア】「スマホ修理王」の商標登録について、商標法4条1項7号該当性が争われた事案。

出願の内容

  • 本件商標「スマホ修理王」(標準文字)
  • 指定商品:第37類「電話機械器具の修理又は保守」
  • 被請求人(商標権者):加藤久典(東京都新宿区)

判旨

▼4条1項7号該当性

被請求人は、「スマホ修理王」の文字から構成される引用商標1及び「スマホ修理王」の文字を含む引用商標2が、請求人の業務である「スマートフォンの修理」について使用される商標であることを十分に認識したうえで、それが商標登録されていないことを奇貨として、請求人の業務を妨害し、不当な利益を得る目的をもって本件商標「スマホ修理王」を登録出願したものとみるのが相当である。

そうすると、本件商標は出願の経緯、目的に社会的相当性を欠くものがあり、登録を認めることが法の予定する秩序に反するものとして到底容認できない場合に当たるものとして「公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標」に該当する。

➡本件商標は商標法第4条第1項第7号に該当する。

雑感

私人間の争いにおいて、商標法4条1項7号を適用した珍しい事例として目を惹いた。

同号の適用を巡る今後の動向も注視したい。